====== Fedora 11 を 2TB 超えの大容量ディスクにインストールする ======  最近では 1TB の大容量ディスクの価格が7000円台と手頃になったため、ディスク複数台で RAID を構成するとすぐに数テラのArrayを構築できてしまう。\\ \\  しかし、MBR や GRUB、ハードウェアなどの制限のために、2TB を超えるディスク領域に OS をセットアップすると、正常に起動できないというトラブルを招くことになる。(俗にいう 2TB の壁に悩まされる。)\\ \\  Fedora 11 においても、2TB の RAID Array に OS をインストールすると、インストール自体は正常終了するが起動できないというトラブルが発生する。(Intel MAC や Itanium を除く)\\ ===== Intel MAC や Itanium ベース システム(IA-64)のパーティションテーブルについて =====  Intel MAC や Itanium ベース システム(IA-64)では、GPT(GUID Partition Table) と呼ばれる大容量に対応できるパーティションテーブルを採用している。\\  また、これらのシステムは GPT 形式のパーティションから起動するように設計されているので、2TB の壁に悩まされることはない。\\ ===== 従来のシステムのパーティションテーブルについて =====  従来のパソコンでは、MBR(Master Boot Record) 形式のパーティションテーブルを採用していて、最大で 2TB(正確には 4,294,967,296 セクタ) までのディスクしか管理できない。(セクタサイズ 512B x 4,294,967,296 セクタ = 2TB)\\  また、これらのシステムは MBR 形式のパーティションから起動するように設計されているので、何も考慮せずに OS をインストールすると 2TB の壁に悩まされることになる。\\ ===== 従来のシステム構成で 2TB の壁を越える方法 =====  ここでは、RAID カードと Fedora 11 x86_64 と LVM を利用して、2TB の壁を越える方法を説明する。RAID カードは HighPoint 社製の RocketRAID 1740 を利用したが、Fedora 上でハードウェア RAID として使えて RAID Array を複数に分割できるものであれば、同様の方法で 2TB の壁を越えることが可能である。\\ \\ ==== RAID カードの設定 ====  今回は一番手ごろな価格帯のディスクである、Seagate の 1TB ディスクを 4 台準備した。 ^ 型番 ^ 容量 ^ 実容量 ^ 備考 ^ |ST31000333AS | 1000.20GB| 931.51GB|1台目 SATA300 | |ST31000333AS | 1000.20GB| 931.51GB|2台目 SATA300 | |ST31000333AS | 1000.20GB| 931.51GB|3台目 SATA300 | |ST31000333AS | 1000.20GB| 931.51GB|4台目 SATA300 |  以下は RAID カードの BIOS で認識している内容である。\\ {{:linux:rocketraid_bios_001.png?500|RocketRAID_BIOS_001}}\\  この 4 台で RAID5 を組むことにする。\\ \\  単純に一つの RAID5 Array として構築すると、実容量が 931.51GB x (4 - 1)台 = 2794.53GB となるため、2TB の壁を越えてブートできなくなる。そのため、以下のように分割して RAID Array を定義する。 ^ Array 名 ^ 容量 ^ 備考 ^ |RAID_5_0 | 128.00GB|MBR形式のパーティション(起動用ドライブ) | |RAID_5_1 | 2072.36GB|GPT形式のパーティション(LVM拡張用ドライブ) | {{:linux:rocketraid_bios_002.png?500|RocketRAID_BIOS_002}}\\