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Windows Subsystem for Linux 2 (WSL 2)
ソースコード: GitHub - microsoft/WSL2-Linux-Kernel: The source for the Linux kernel used in Windows Subsystem for Linux 2 (WSL2)
Windows Subsystem for Linux 2 (以下 WSL 2) は、2019/05/06 にブログで発表され、2019年6月末までに Windows Insider Program を通じて Microsoft が Windows で Linux カーネルを出荷する試みである。Windows 10 Insider Previews も参照のこと。
Linux カーネルが Windows に同梱されるのは、今回が初である。(Microsoft は過去にも 2018 年に Microsoft Azure Sphere で Linux カーネル自体は出荷した事がある)
WSL 2 は Microsoft がパッチを当てた Linux カーネル (初期ビルドでは Linux Kernel Version 4.19 ベース) を lightweight utility virtual machine (軽量ユーティリティ仮想マシン) (以下 VM) 内で実行する。この Linux カーネルは WSL 2 専用に構築された小型で軽量な WSL 2 Linux カーネルである。
VM で実行する技術は KVM、VMware、VirtualBox、Xen、Hyper-V、Docker… など今までもたくさんあったが、どれも起動が遅く、非常に隔離された環境に存在し、多くのコンピューターリソースを消費し、それを管理する時間が必要なものであった。それに比べて WSL 2 が他の VM と異なる点は以下の通りである。
- Windows と Linux 間の高レベルの統合
- 非常に高速な起動時間 (2 秒以内に機能する bash シェルにアクセスできる)
- 小さなリソースフットプリント
- そして何よりも VM の構成や管理が不要
WSL は、Linux の ELF フォーマット形式のバイナリ実行ファイルを Windows でネイティブ実行できるようにするための互換レイヤーであるが、WSL 1 では一部で互換性の問題があったが、WSL 2 では Linux カーネルを Windows に内臓したことで完全なシステムコールの互換性を提供すると伴に、ファイルシステムのパフォーマンスが劇的に向上している。